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女性総合法律事務所ラレーヌビクトリア

養育費・婚姻費用請求―相手方が提出する収入資料の信用性について争いたい場合

1.養育費や婚姻費用(離婚が成立するまでの生活費)を請求したいけど相手(夫)は自営業者で、その所得額は信用性が無いと主張したいというケースは比較的多いと思います。
特に経費の費目や金額があやしい、おかしいというケースがとても多いです。

2.一般的には、裁判所では、確定申告書の内容は正しいという前提で対応されてしまいます。

3.しかし、
①    経費の裏付け資料の提出を求めて照合する
②    給与と給与以外の収入(賃料収入等)があり確定申告書が提出されているようなケースでは、通帳の取引履歴と申告書の毎月の収入欄の金額が整合するか精査する
など、確定申告書の内容が正確ではないから、算定の基礎となる収入も低すぎると主張することもできる可能性があります。

4.相手方が、給与所得者であると主張し源泉徴収票を提出してきているケースであっても、非課税交通費が支給されているケースで給与明細の提出を求めたり、給与以外の別収入がある可能性がある場合は、所得証明書や確定申告書の提出を求めたりして、正確な所得を捕捉する必要性があります。

5.かつて、夫が家族で建設業を営んでいる(夫の父親が代表者の株式会社・夫は取締役)というケースで、夫側から、源泉徴収票が提出され、売上が減ったから収入も減ってしまったと主張されたことがありました。

妻は、同居当時はその建設会社の経理を担当していました。妻は自力でその会社の売上情報を入手し、裁判で提出しました。さらに、交通費が支給されていた事実も主張し、追及しました。
結局、最終的には、夫が提出した収入資料の信用性は否定されました。

 

同種のケースでお困りの方は是非お気軽にご相談下さい。